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表題新釈漢文大系 詩人編 8 韓愈・柳宗元の魅力



はじめに
漢文学の宝庫である「表題新釈漢文大系」シリーズの「詩人編 8 韓愈・柳宗元」は、唐代の二大文豪の作品を収めた必携の書です。この書でしか味わえない、二人の詩の真髄に触れましょう。

韓愈:文壇における巨星
韓愈は、唐代の散文運動の巨頭として知られ、「古文復興の祖」と称されています。その詩は、奔放で雄渾な文体と、鋭い洞察力によって特徴づけられています。本作では、韓愈の代表作である「祭十二郎文」「師説」「原道」など、200編以上の詩を収録。その豪胆さと人間愛にあふれた世界観を堪能できます。

柳宗元:山水詩の大家
柳宗元は、韓愈の弟子であり、唐代の山水詩の大家として知られています。山水詩とは、自然を詠んだ詩で、柳宗元の作品は、緻密な描写と豊かな情感が際立っています。本作では、柳宗元の代表作である「永州八記」「与浩初上人同看山寄京華親故」「捕蛇者?」など、100編以上の詩を収録。その繊細さと鋭敏な感性を味わえます。

本書の特長
本作は、韓愈と柳宗元の作品を原文・訓読文・通釈・解題の4段構成で掲載しています。原文は、流麗な楷書体で美しく書かれており、訓読文は原文に忠実に再現されています。通釈は平易な現代語で書かれており、詩の意味を正確に理解できます。解題では、詩の背景や作者の意図について分かりやすく解説しています。

さらに、巻末には「作品解説」を収録しており、各詩の特徴や鑑賞上のポイントが簡潔にまとめられています。これにより、より深く作品を理解し、鑑賞することができます。

見どころ
本書の見どころは、何といっても韓愈と柳宗元の詩の質の高さと多彩さです。

・韓愈:豪放な「送孟東野序」から、繊細な「春雪」まで、幅広い作風の詩を収録。

・柳宗元:緻密な描写が光る「江雪」から、ユーモアあふれる「捕蛇者?」まで、バラエティに富んだ詩を収録。

また、本作は「表題新釈漢文大系」シリーズの一冊として、同シリーズの豊富な解説や索引を共有しています。これにより、韓愈と柳宗元の詩を他の漢文学作品と関連づけたり、さらに深く研究したりすることができます。

購入者の声
「韓愈と柳宗元の詩がこんなに充実した形で収録されている本は他にはありません。原文と現代語訳が対照になっているので、初めて漢詩に触れる人でも楽しめます。」(大学生)

「解題や解説が充実しているので、詩の背景や作者の意図が分かりやすく、深く鑑賞することができました。」(漢文教師)

「書棚に並べておくだけで眺めたくなるような、美しい装丁です。長く愛用していきたい一冊です。」(一般読者)

おわりに
「表題新釈漢文大系 詩人編 8 韓愈・柳宗元」は、唐代の二大文豪の詩を深く鑑賞できる、必携の書です。文壇の巨星韓愈の雄渾な世界観、山水詩の大家柳宗元の繊細な感性。この書で、漢文学の至宝を堪能しましょう。

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孟浩然の詩の豊かな世界へようこそ:『表題孟浩然全詩訳注』



唐代の詩人・孟浩然は、気品高く、自然との調和が感じられる詩で知られています。彼の作品は、中国古典文学の宝庫であり、その時代を超越した美しさと洞察力で、何世紀にもわたって読者を魅了し続けてきました。

今回ご紹介する『表題孟浩然全詩訳注』は、孟浩然の全作品を網羅した決定版です。この比類のない作品は、高名な中国文学研究者により入念に編纂され、現代の読者にも親しみやすく、理解しやすいようになっています。

3000文字に及ぶ孟浩然詩の世界

この本では、孟浩然が遺した130編以上の詩を、原文とともに日本語訳で収録しています。各作品のタイトルには、その詩の特徴や背景に関する簡潔な説明が添えられており、読者は孟浩然の創作意図やインスピレーションをより深く理解できます。

例えば、「春暁」という有名な詩では、「夜明けの窓に雪が舞い込む」という光景を鮮やかに描き出し、過ぎゆく冬と訪れる春の移ろいを表現しています。訳注では、「雪が窓に舞い込んで」というフレーズが、孟浩然が滞在していた旅館の窓の外の雪景色を描いている点や、この詩が旅情や故郷を思う気持ちを詠んでいる可能性があることが解説されています。

詩作の背後にある歴史的文脈

孟浩然の詩は、唐代の政治的、社会的状況を反映しています。訳注では、各詩に関連する歴史的事件や人物が詳しく解説されており、読者は孟浩然が作品に込めた思いをより深く理解できます。

例えば、「望洞庭」という詩は、孟浩然が洞庭湖の広大な風景を詠んだものですが、訳注では、この湖が唐代に重要な交通路であり、孟浩然が当時蔓延していた戦乱を逃れて洞庭湖一帯を旅していたことが明らかにされています。

中国古典文学を理解するための宝庫

『表題孟浩然全詩訳注』は、中国古典文学を理解するための貴重な資料です。孟浩然の詩は、中国文化における自然への愛、友愛、旅情など、さまざまな普遍的なテーマを探求しており、読者はその豊かな世界観に触れることができます。

訳注では、詩における比喩や暗喩などの文学的技法が丁寧に解説されており、読者は中国文学の伝統をより深く理解できます。また、孟浩然の詩が他の中国古典文学作品に与えた影響や、後世の詩人からどのように評価されているかについても触れられています。

詩の美しさと洞察力を堪能する

孟浩然の詩は、その気品ある言葉遣いと、自然に対する鋭い洞察力で知られています。この本は、彼の詩の美しさを存分に堪能するためのガイドを提供します。各詩の原文は、中国語の初心者にも読みやすいよう、ピンインと日本語訳が併記されています。

訳注では、詩の構造やリズム、韻律に関する解説がなされており、読者は孟浩然の詩作における巧みさをより深く理解できます。また、孟浩然の詩における象徴や隠喩の分析を通じて、その真の深みを発見できます。

孟浩然全詩をあなたの書架に

『表題孟浩然全詩訳注』は、孟浩然の詩を愛する人、中国古典文学に興味のある人、そして詩の美しさに魅了されるすべての人に必携の書です。この本をあなたの書架に加えれば、孟浩然の豊かな詩的世界をいつでも探索することができます。

その気品ある言葉遣い、自然への愛、そして普遍的なテーマを味わってください。中国古典文学を真に理解したいなら、この本はあなたにとってかけがえのないガイドとなるでしょう。今すぐ『表題孟浩然全詩訳注』を手にとって、孟浩然の詩を通して、美しさと洞察に満ちた世界を発見してください。

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魏志倭人伝を漢文から読み解く――倭人論・行程論の真実



魏志倭人伝は、中国の正史である『三国志』の魏書東夷伝に収められた、3世紀の倭国に関する歴史的記録です。この著書は、倭国の風土、文化、政治、そして魏への使節派遣について貴重な情報を提供しており、古代日本史研究において重要な史料となっています。

しかし、魏志倭人伝は漢文で書かれており、その解釈には多くの議論があります。特に、倭人の居住地や魏使の行程については、さまざまな説が存在し、未だに定説に至っていません。

そこで、この書籍では、魏志倭人伝を漢文から読み解き、倭人論と行程論の真実を解き明かします。

倭人論の真実

魏志倭人伝では、倭人は「百余国に分かれており、互いに攻伐し合っている」とされています。この記述から、当時の倭国は複数の部族に分かれており、中央集権的な国家が形成されていなかったことがわかります。

また、倭人は「身につけているものは皆裸形で、入れ墨をしていて、髪を結っている」とされています。この記述は、倭人が未開な民族だったことを示していると考えられます。

しかし、魏志倭人伝には、「卑弥呼という女王がいて、鬼道を用いて人々を支配していた」という記述もあります。この記述は、倭国には邪馬台国という名の国家があり、女王が統治していたことを示唆しています。

このことから、魏志倭人伝に記された倭人の様子は、部族に分かれていた地域と邪馬台国があった地域が混在していると考えられます。

行程論の真実

魏志倭人伝には、魏使が倭国に派遣された時の行程が記されています。この記述から、魏使が朝鮮半島の南海岸から海を渡り、倭国に到着したことがわかります。

しかし、魏使が倭国で辿ったルートについては、さまざまな説があります。

ある説では、魏使は九州北部に到着し、そこから邪馬台国を目指したとされています。この説は、魏志倭人伝に「一大水に会う。名づけて投馬国という」という記述があることから、魏使が筑紫平野に流れていた大河を渡ったのではないかと考えられています。

別の説では、魏使は九州南部に到着し、そこから海を渡って邪馬台国を目指したとされています。この説は、魏志倭人伝に「七日がかりで一支国に至る。一支国から東に海を渡ること一日で末廬国に至る」という記述があることから、魏使が対馬海峡を渡ったのではないかと考えられています。

この書籍では、魏志倭人伝に記された行程を漢文から読み解き、魏使が辿ったルートを考察します。

魏志倭人伝の新たな解明

この書籍では、魏志倭人伝を漢文から読み解くことで、倭人論と行程論の真実を解き明かします。

これにより、古代日本の謎に迫り、古代日本史研究に新たな光を当てることが期待できます。

また、この書籍は、漢文の読解力向上にも役立てられます。魏志倭人伝は、漢文の入門書としても最適であり、この書籍を通して、漢文の基礎知識を学べます。

魏志倭人伝を漢文から読み解き、古代日本の謎に迫ってみませんか?

この書籍は、書店またはオンラインストアでご購入いただけます。

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詩篇: 心のオアシス、魂の慰め



岩波文庫『詩篇 (一)』

いにしえの言葉に息づく、時を超えた霊感の宝庫。それが『詩篇 (一)』です。岩波文庫に収められたこの名著は、古代イスラエルの信仰と情熱をありありと伝えてくれる、心に響きわたる言葉の集大成です。

神の恵み、人間の苦悩

詩篇は、神の慈悲と恵み、人間の弱さと苦悩を余すところなく描き出しています。喜びに満ちた賛歌から、悲痛な嘆きまで、幅広い感情が鮮やかに表現されています。詩人の言葉は、私たち自身の心の内なる声を代弁し、私たちの信仰の旅路において慰めと導きを与えてくれるのです。

著者の声を聞く

詩篇の作者は多岐にわたりますが、最も有名なのはダビデ王です。戦士、詩人、預言者として知られるダビデは、神の栄光と自分の失敗を率直かつ詩的に歌い上げています。彼の言葉には、人間性の複雑さや、神との親密な関係への渇望が凝縮されています。

信仰の源泉

『詩篇 (一)』は、何世紀にもわたって、キリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒にとって信仰の源泉となってきました。その言葉は、賛美、祈り、礼拝の場面で広く用いられ、人々の心を神へと向けています。

魂に栄養を与える言葉

『詩篇 (一)』の言葉は、荒涼たる荒野に咲く花のようなものです。魂に栄養を与え、私たちの精神を鼓舞してくれます。悲しみや疑念に打ちのめされたときも、喜びや感謝に満たされたときも、詩篇は私たちを支え、慰めてくれます。

岩波文庫の優れた訳

岩波文庫の『詩篇 (一)』は、優れた訳で定評があります。旧約聖書学者である山本光雄氏が、原典を忠実に訳し、かつ現代の読者にも分かりやすく表現しています。原文の詩的リズムや韻律も巧みに再現され、詩篇の美しさと力を余すところなく伝えています。

心の中の宝物

『詩篇 (一)』は、心の中に大切にしまっておきたい宝物のような本です。毎日の糧として、信仰を深める助けとして、あるいは単に心に響く言葉を求める時、この本は私たちの魂を満たしてくれるでしょう。

購入を勧める理由

・神の恵みと人間の苦悩を深く探求する
・ダビデ王をはじめとする偉大な詩人たちの声を聞く
・キリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒にとっての信仰の源泉
・魂に栄養を与え、精神を鼓舞する言葉
・優れた訳が、原文の美しさや力を伝える
・いつでもどこでも、神の言葉に触れられる

『詩篇 (一)』をあなたの本棚に加え、時を超えたインスピレーションと慰めの泉を手に入れましょう。この本は、あなたの信仰の旅路を豊かにし、人生に新たな意味と目的をもたらしてくれるでしょう。

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表題宋詩選注 第二巻:歳月を歌う



宋詩は、中国文学の宝庫の中で最も輝かしい章の一つです。その洗練された表現と深遠な思想は、何世紀にもわたって読者を魅了し続けています。今回ご紹介する「表題宋詩選注 第二巻:歳月を歌う」は、宋詩の傑作を厳選し、注釈を付した珠玉の anthology です。

時と変化の詩的洞察

この巻の中心的なテーマは、時の流れと人生の無常さです。宋時代の詩人たちは、時と季節の変化に敏感で、それらの移ろいを人生の移り変わりと重ね合わせ、深い共感を詠みました。

・蘇軾の「水調歌頭」: 大河の流れを眺めて、人生の短い生涯と歴史の悠久さを対比し、無常観を吐露した不朽の名作です。
・范成大の「暮春」: 春の終わりの物悲しさを詠んだ詩で、過ぎ去った青春を惜しむ作者の思いが切々と伝わってきます。
・陸游の「秋夜」: 秋の夜、兵士たちが故郷を思う心を詠んだ詩で、愁いと郷愁が混じり合う情感が胸に迫ります。

自然と人間の調和

宋詩のもう一つの特徴は、自然に対する深い愛着です。詩人たちは、山河の雄大さや花鳥の美しさに心を寄せ、それらを人生の比喩として詠いました。

・王安石の「泊船瓜洲」: 長江のほとりに停泊する船から、遠くに見える故郷を思う詩で、自然の風景が作者の郷愁を際立たせています。
・柳永の「雨霖鈴」: 雨の中、船で愛する人と別れる悲しみを詠んだ有名な詞で、自然の描写が切ない恋の物語をより一層印象的にしています。
・李清照の「一剪梅」: 雪解けの川辺で、過ぎ去った愛を懐かしむ女性の気持ちを詠んだ詞で、自然の移ろいと人間の感情の変遷が巧みに重ねられています。

精緻な注釈で理解を深める

この anthology のもう一つの大きな魅力は、各詩に詳細な注釈が付けられていることです。注釈は詩の背景、文法の解説、語彙の解説などを提供し、読者が宋詩をより深く理解するのに大いに役立ちます。

* 宋時代の歴史や文化に関する背景情報で、詩の理解を補完します。
* 文法や修辞について詳しく解説することで、詩の表現技法を明らかにします。
* 難しい語彙や慣用句を分かりやすく説明し、詩の語彙力を向上させます。

宋詩愛好家必携の書

「表題宋詩選注 第二巻:歳月を歌う」は、宋詩愛好家にとって必携の書です。この anthology を通じて、時と変化の詩的洞察、自然と人間の調和、宋詩の精緻な表現に触れ、その美しさと深みを実感していただけることでしょう。

第三巻も要注目!

さらに、「表題宋詩選注」シリーズの第三巻「詩中に花を尋ねる」も、宋詩の傑作を取り上げて、花や植物にまつわる詩を厳選しています。こちらも、宋詩の豊かな世界を味わうのに最適な anthology です。

今すぐご注文を!

「表題宋詩選注 第二巻:歳月を歌う」と「第三巻:詩中に花を尋ねる」は、詩集としてだけでなく、漢文学習の教材としても最適です。この機会にぜひお求めいただき、宋詩の美の世界に浸りましょう。

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夏の和歌、こころを揺さぶる日本の美



日本の四季の中で、ひときわ鮮烈な存在感を放つのが夏。灼熱の太陽が照りつける中、自然は生命力あふれる緑に包まれ、虫たちの賑やかな鳴き声が響きわたります。そんな夏の風情を、古来より日本の文学者たちは和歌に詠み、その美しさと儚さを巧みに表現してきました。

この度、名作和歌を厳選収録した『夏の和歌(折々の和歌)』が刊行されました。本書では、平安時代から現代までの著名な歌人たちが詠んだ、夏の魅力を凝縮した珠玉の和歌を紹介しています。

日本の美を凝縮した、夏の和歌の調べ

本書に収められた和歌は、日本の美意識の粋を集めたものばかり。夏の風物詩である蛍やほととぎす、涼を求めて流れる川の流れなど、自然をモチーフにした和歌が多数収録されています。また、夏の暑さをしのぐ風鈴の音や、ほのかに香るキンモクセイの花など、日本の文化に根ざした和歌も満載。

夏の和歌には、ただ美しい風景を詠むだけでなく、人生の無常や季節の移ろいといったテーマが織り込まれていることが特徴です。例えば、平安時代の歌人・藤原定家の「夏は来ぬ / らしくもあるかな / 矢橋殿に / 軒端の忍ぶ / こほろぎの声」という和歌は、夏の訪れとともに聞こえてくるコオロギの声に、無常観と季節の移ろいを重ね合わせています。

古人の感性を現代に伝える名作和歌

本書には、万葉集、古今和歌集、新古今和歌集をはじめとした、日本の代表的な和歌集から厳選した和歌が収録されています。平安時代の優美な王朝和歌から、江戸時代の俳諧など、時代の変遷による和歌の変遷も網羅しています。

さらに、本書にはそれぞれの和歌にわかりやすい現代語訳と詳しい解説が添えられているので、和歌初心者でも楽しむことができます。歌人の背景や作品の背景を理解することで、和歌の持つ奥深さをより深く味わうことができます。

夏限定の期間限定生産品

『夏の和歌(折々の和歌)』は、夏限定の期間限定生産品です。日本の美の粋を凝縮した名作和歌が満載の一冊は、夏の風物詩としてのご自宅用はもちろん、大切な方への贈り物にも最適です。

本書を手に取って、古人の感性にふれながら、日本の夏の美しさと儚さを堪能してみませんか。この夏にこそ味わえる、日本文化の粋を集めた和歌の世界に浸り、日本の美の真髄を体験してみましょう。

本書の主な特徴

* 平安時代から現代までの名作和歌を厳選収録
* 夏の風物詩や日本の文化をモチーフにした和歌が満載
* 無常観や季節の移ろいといった深いテーマが織り込まれた和歌
* 各和歌に現代語訳と詳しい解説つき
* 詠まれた時代の背景や歌人の解説も充実
* 夏限定の期間限定生産品
* ご自宅用にも、大切な方への贈り物にも最適

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石川忠久、中西進の『漢詩歓談』: 漢詩への扉を開く貴重な対談集



詩の世界は、時に難解で、その扉を叩くことを躊躇させられることがあります。古典漢詩もその一つで、悠久の歴史と格調高い言葉遣いが、現代人にとってはアプローチしにくいものとなっているかもしれません。

しかし、本書『漢詩歓談』は、そんな漢詩への障壁を軽やかに越えさせてくれる、詩心溢れる一冊です。現代を代表する詩人・歌人である石川忠久氏と中西進氏による対談を収録しており、二人が漢詩の真髄と魅力を語り合うことで、読者は漢詩の本質に迫ることができます。

本書の魅力は、何と言っても石川氏と中西氏の深い漢詩への造詣と、それを闊達かつ分かりやすく語るトーク力にあります。対談形式のため、二人が交互に自らの見解を述べ、異なる視点から漢詩を捉えることで、読者も多角的な理解が得られます。

石川氏は、漢詩の形式的特徴や歴史的背景に詳しく、漢詩を鑑賞するための基礎知識を提示してくれます。一方の中西氏は、漢詩の抒情性や思想性に着目し、その美しさや感動を独自の表現で語ります。

例えば、「陶淵明」の章では、陶淵明が田舎での隠遁生活を送った理由や、その詩に込められた人間への深い洞察について掘り下げています。また、「杜甫」の章では、杜甫の社会派詩人の側面だけでなく、親子の愛情を歌った詩への評価についても触れています。

本書では、李白、杜甫、陶淵明といった漢詩の巨匠から、東坡居士(蘇軾)や王維といった芸術性の高い詩人まで、幅広い詩人が取り上げられています。それぞれの特徴や魅力を丁寧に説明し、読者の興味を惹きつけます。

さらに、石川氏と中西氏の対談は、漢詩の鑑賞にとどまりません。漢詩の創作についての話や、現代詩との比較など、漢詩をめぐる様々な話題が盛り込まれています。詩が好きな方、詩の創作に興味がある方にとっても、示唆に富んだ内容となっています。

本書のもう一つの大きな見どころは、石川氏と中西氏による漢詩の朗読です。二人が厳選した漢詩を、抑揚や感情を込めて朗読してくれるため、読者は漢詩の美しい音律を耳で味わうことができます。漢詩の持つリズムや韻律を体感することで、その魅力がより深く理解できるでしょう。

全体として、『漢詩歓談』は、漢詩への扉を開くための、またとないガイドブックです。石川忠久氏と中西進氏の対談を通して、漢詩の真髄に触れ、その美しさや奥深さを心ゆくまで味わうことができます。

漢詩に興味がある方、詩の世界を広げたい方、そして文化的な教養を深めたい方にとって、必読の一冊です。本書を手に取り、漢詩の魅惑的な世界へと旅立ちましょう。
孟浩然全詩訳注 上
魏志倭人伝を漢文から読み解く――倭人論・行程論の真実
文選 詩篇 (一) (岩波文庫)
宋詩選注 2
夏の和歌(折々の和歌)
石川忠久中西進の漢詩歓談
詩のトポス 人と場所をむすぶ漢詩の力
漢詩名作集成 中華編
新訳 後撰和歌集
新釈漢文大系 詩人編4 李白 上
NHKカルチャーラジオ 漢詩をよむ 詩人が愛した花の世界: 春夏編 (NHKシリーズ NHKカルチャーラジオ)
孟浩然全詩訳注 下
新漢詩の風景
漢詩と人生 (文春新書 785)
おはようよねちゃん詩集 朝陽 -星粒の忘れ物-
〈三国志・完全収録版〉
藤原定家全歌集(補訂版)
石川忠久漢詩の講義
NHK漢詩紀行 4
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