
表題新装【ワイド版】 街道をゆく (20) 中国・蜀と雲南のみち
時空を超える魅惑の紀行が、ワイド版で新たな装いをまとって登場!
司馬遼太郎の不朽の名作『街道をゆく』シリーズ第20巻が、見やすく読みやすいワイド版で装いも新たに生まれ変わりました。本書は、悠久の歴史と豊かな文化を秘めた中国・蜀と雲南を巡る旅の記録です。
蜀への旅:三国志の舞台を巡る
旅の幕開けは、中国でも最も古い歴史を誇る都、成都。かつて蜀漢の都として栄えたこの地は、三国志の時代から数々の歴史的出来事の舞台となってきました。司馬遼太郎は、諸葛孔明ゆかりの「武侯祠」や、三国志の激闘を描いた「成都武侯祠博物館」を訪れ、三国時代の英雄たちの足跡を探ります。
成都を後にして、司馬遼太郎は「三国志」で有名な五丈原や定軍山を巡ります。これらの戦跡は、かつて魏・蜀・呉の三国が激しく争った場所であり、司馬遼太郎の筆致によって、千数百年前の戦乱が目の前に蘇ります。
雲南への旅:少数民族の楽園をゆく
蜀を後にした司馬遼太郎は、雲南省へと足を延ばします。雲南省は、多様な少数民族が暮らす、中国の中でもひときわ文化の豊かな地域です。司馬遼太郎は、ミャオ族、タイ族、イ族などの少数民族の村を訪れ、彼らの独特な文化や生活様式に触れます。
中でも印象的なのは、麗江のナシ族の村。司馬遼太郎はこの地で、ナシ族の「ドンパ文字」や「摩梭族」と呼ばれる独自の家族形態など、古くから受け継がれてきた文化を学びます。
歴史と文化の息吹を伝える珠玉の紀行
『街道をゆく (20) 中国・蜀と雲南のみち』は、単なる旅行記ではありません。司馬遼太郎の博覧強記と明晰な思考によって、訪れた土地の歴史や文化が深く掘り下げられています。
三国志の英雄たちから、少数民族の生活まで、多様なテーマを扱った本書は、中国の歴史と文化に対する理解を深めるのに最適な一冊です。司馬遼太郎の巧みな文章で綴られた旅の記録は、読者を中国の悠久たる歴史と豊かな文化の世界へと誘います。
ワイド版ならではの読みやすさと迫力
今回のワイド版では、文字サイズが拡大され、ページも大きくなりました。これにより、文章が読みやすく、写真や地図などのビジュアルもより迫力が増しています。
また、巻末には、司馬遼太郎の旅をより深く理解するための補説や解説も充実しています。中国の歴史や文化に興味のある方にとっては、必携の資料となるでしょう。
時を超え、文化の旅へ
『街道をゆく (20) 中国・蜀と雲南のみち』は、歴史、文化、紀行の愛好家にとって必読の一冊です。司馬遼太郎の軽妙な筆致と深い洞察を通じて、古代から現代まで続く中国の息吹を感じてみませんか?
本書は、新たな装いをまとって、あなたを時空を超えた魅惑の旅へと誘います。この機会にぜひお手に取って、中国の豊かな歴史と文化の世界に浸りましょう。

宮本輝の傑作「流転の海」を収録した『宮本輝全集 第4巻』
現代日本文学を代表する巨匠、宮本輝。その心揺さぶる作品群を網羅した『宮本輝全集』の第4巻は、珠玉の長編小説「流転の海」を収録した必携の一冊です。
激動の時代を背景に描かれる壮大な家族の物語
「流転の海」は、明治から昭和にかけて激動の時代を舞台にした、壮大な家族の物語です。
主人公は、鳥取県から北海道へと渡った農民の長男・吉松。北の大地に根を下ろし、彼は開拓に邁進します。しかし、時代は戦争と革命の渦中にあり、吉松一家も厳しい運命に翻弄されていきます。
時代を超えて共感する普遍的な人間ドラマ
「流転の海」の魅力は、時代を超えて人々の心に響く普遍的な人間ドラマにあります。
貧困、差別、戦争…。吉松一家が直面する試練の数々は、現代の私たちにも重くのしかかります。しかし、彼らは決して諦めず、運命に立ち向かっていく姿に、読者は勇気と希望を見出すことでしょう。
濃密な人物描写と美しい自然描写
宮本輝の真骨頂ともいえるのは、濃密な人物描写と美しい自然描写です。
吉松をはじめとする登場人物たちは、それぞれに複雑な葛藤や秘められた思いを抱えています。宮本輝は、彼らの心の内側を繊細に描き出し、読者に深い共感を呼び起こします。
また、北海道の大自然が織りなす雄大な風景も、この作品を彩る重要な要素です。広大な大地や打ち寄せる波…。自然の息吹が、登場人物たちのドラマに奥行きと重みを与えています。
読み応えのある大作、一気読み必至
「流転の海」は、上下巻合わせて1000ページを超える大作です。しかし、その読み応えは格別で、読者は一気読みしてしまうこと必至です。
ページをめくるごとに、登場人物たちの運命に引き込まれ、時代を超えた人間ドラマに心を揺さぶられます。読み終えた後には、深い感動と余韻が残ることでしょう。
宮本輝ファン必携の、日本の文学史に残る名作
『宮本輝全集 第4巻』は、宮本輝ファンはもちろん、日本の文学史に興味のあるすべての方に必読の一冊です。激動の時代を背景に描かれる壮大な家族の物語は、あなたの心に深く刻まれることでしょう。
今すぐ『宮本輝全集 第4巻』を手にとって、珠玉の長編小説「流転の海」の世界を堪能してください。

塩野七生の「ルネサンス著作集 (3)」: 時空を超えるルネサンスの鼓動を体感せよ
塩野七生による名著、「ルネサンス著作集 (3)」は、ルネサンスという時代が放つ輝かしい光と影を鮮やかに描き出す、必携の3部作の完結編です。この傑作は、歴史、芸術、文学、そして人間の精神の不屈の探求を織り交ぜ、読者を時空を超えた魅力的な旅へと誘います。
ルネサンスの真髄に迫る
「ルネサンス著作集 (3)」は、ルネサンスのあらゆる側面を網羅しています。塩野七生は、この変革期に起こった政治的、社会的、文化的変動を鋭く分析しています。中世の束縛から解放された芸術家、科学者、思想家たちの物語を通して、彼女はルネサンスが人間の知的能力と創造性をどれほど開放したかを明らかにしています。
この著書では、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなどの巨匠の芸術作品が、その革新的な技法と象徴的な意味合いが綿密に探られます。塩野七生は、ルネサンス芸術が当時の社会情勢や哲学的信念をどのように反映していたかを巧みに解き明かしています。
文学の黄金時代
「ルネサンス著作集 (3)」は、ルネサンス文学の黄金時代も深く掘り下げています。シェイクスピア、ダンテ、ペトラルカなどの作品が、その時代の特徴的なテーマ、言語的豊かさ、人間に対する深い洞察を鮮やかに示しています。塩野七生は、これらの文学の巨匠たちが、ルネサンスの精神をどのように形作り、影響を与えたかを明らかにしています。
人間の精神の不屈の探求
この著書は、単なる歴史的記述にとどまりません。塩野七生は、ルネサンスが人間の精神の不屈の探求に与えた影響を熟考しています。彼女は、ルネサンスの思想家が、人間の理性、能力、運命について大胆に問いかけた方法を探求しています。
塩野七生は、コペルニクスの地動説、ケプラーの宇宙法則、そしてガレリオの天体観測などの科学的発見が、当時の世界観に革命をもたらし、人類の宇宙における位置づけに対する認識を根本的に変えたことを強調しています。
時を超えた魅力
「ルネサンス著作集 (3)」が読者を引き付けるのは、その歴史的な正確性と洞察力だけではありません。塩野七生の情熱的で生き生きとした文章は、ルネサンス時代の出来事と人物をまるで昨日のことのように生き生きとよみがえらせます。
この著書は、時間を超えて読者に影響を与える、時を超越した傑作です。ルネサンスの輝かしい遺産を理解し、人間の創造性、知性、精神の不屈の力を称えるすべての人にとって、必読の書です。
購入意欲をかき立てる魅力
「ルネサンス著作集 (3)」は、以下のような特徴により、購入意欲をかき立てます。
・名高い歴史家で作家の塩野七生による権威ある著作
・ルネサンスのあらゆる側面を網羅した包括的な歴史、芸術、文学の調査
・巨匠の芸術作品、文学の傑作、科学的発見に関する洞察に満ちた分析
・人間の精神の不屈の探求に対するルネサンスの影響に関する考察
・情熱的で魅惑的な文章が、ルネサンス時代を生き生きとよみがえらせる
・歴史愛好家、芸術家、文学愛好家、そして人間の精神の偉業に興味のあるすべての人にとって必読の書
この卓越した著作集は、あなたの書棚に不可欠なアイテムとなり、ルネサンスの時代を超越する鼓動と、それが現代社会に与え続ける影響をより深く理解させてくれるでしょう。
今日、このルネサンスの宝庫を手に入れ、時空を超えた旅を始めましょう。塩野七生の「ルネサンス著作集 (3)」が、あなたの知的、文化的、個人的な探求を豊かにし、輝きを与えてくれることは間違いありません。

ワイド版街道をゆく43巻の旅路で歴史の息吹を体感する
「街道をゆく」シリーズは、司馬遼太郎の代表作であり、日本の歴史と文化を深く掘り下げた壮大な紀行文学です。ワイド版は、初出時の連載に加え、司馬自らが執筆したあとがきや新稿を収録した決定版です。今回ご紹介する43巻は、日本列島の歴史的街道を巡る旅の記録であり、読者の皆様をタイムスリップさせたような歴史体験へと誘います。
東海道をゆく
江戸から京都を結ぶ東海道は、かつて旅人でにぎわった重要な街道でした。司馬は、江戸の町並みや箱根の関所跡など、街道沿いの名所旧跡を訪れ、宿場町の風情や旅人の思いに思いを馳せています。第1巻から第12巻まで、東海道の全行程を網羅しています。
中仙道を行く
江戸から京都を結ぶもう一つの街道である中仙道は、東海道よりも山がちで険しい道筋でした。司馬は、中山道の宿場町や峠道などを歩き、旅籠や茶屋の風情、旅人の苦労や喜びを描き出しています。第13巻から第18巻まで、中山道の主要区間を辿っています。
奥の細道を行く
芭蕉の俳諧紀行『奥の細道』の足跡をたどる旅です。司馬は、松尾芭蕉の心情や俳句の背景を探りながら、奥州平泉や山形山寺などの名所を訪れます。第19巻から第21巻まで、奥州街道と羽州街道を巡る旅路を綴っています。
街道をゆく 信濃路
信濃路は、日本アルプスの麓に広がる歴史と文化の豊かな街道です。司馬は、善光寺や松本城など信濃路の名所を巡り、戦国時代の武将や民衆の暮らしに思いを馳せています。第22巻から第24巻まで、信濃路の旅の記録を収録しています。
街道をゆく 紀州
紀州は、和歌山県南部に位置する歴史と文化の宝庫です。司馬は、熊野古道や高野山など紀州の名所を訪れ、平安時代の貴族や武士の足跡、民衆の信仰心に迫ります。第25巻から第28巻まで、紀州の旅の記録を収録しています。
街道をゆく 加賀・能登
加賀・能登は、石川県と富山県の北部に位置する風光明媚な街道です。司馬は、兼六園や瑞龍寺など加賀・能登の名所を訪れ、加賀藩の栄華や庶民の暮らしを描き出しています。第29巻から第32巻まで、加賀・能登の旅の記録を収録しています。
街道をゆく 出雲・石見
出雲・石見は、島根県と山口県西部に位置する歴史と文化が色濃い街道です。司馬は、出雲大社や石見銀山など出雲・石見の名所を訪れ、古代の出雲王国や戦国時代の鉱山開発の足跡をたどっています。第33巻から第35巻まで、出雲・石見の旅の記録を収録しています。
街道をゆく 小浜・若狭
小浜・若狭は、福井県北部の風光明媚な海岸線に沿った街道です。司馬は、小浜城や御食国若狭湾など小浜・若狭の名所を訪れ、戦国時代の小浜藩や庶民の暮らしを描き出しています。第36巻から第37巻まで、小浜・若狭の旅の記録を収録しています。
街道をゆく 因幡・伯耆
因幡・伯耆は、鳥取県と岡山県西部に位置する歴史と文化の豊かな街道です。司馬は、白兎海岸や倉吉白壁土蔵群など因幡・伯耆の名所を訪れ、平安時代の因幡国や戦国時代の伯耆国を舞台に繰り広げられたドラマを描き出しています。第38巻から第39巻まで、因幡・伯耆の旅の記録を収録しています。
街道をゆく 隠岐
隠岐は、島根県の沖合に浮かぶ島々です。司馬は、隠岐神社や隠岐島後刑務所など隠岐の名所を訪れ、流刑地としての隠岐の歴史や離島の人々の暮らしを描き出しています。第40巻から第41巻まで、隠岐の旅の記録を収録しています。
街道をゆく 萩・長門
萩・長門は、山口県西部の歴史と文化が重なり合う街道です。司馬は、萩城や毛利博物館など萩・長門の名所を訪れ、長州藩の栄華や明治維新の足跡をたどっています。第42巻から第43巻まで、萩・長門の旅の記録を収録しています。
歴史の旅路をたどる、司馬遼太郎の珠玉の紀行文
「街道をゆく」シリーズは、日本の歴史と文化を深く掘り下げた司馬遼太郎の珠玉の紀行文です。司馬ならではの鋭い洞察力と豊かな想像力が駆使されており、読者は街道沿いの名所旧跡を巡りながら、歴史人物の息遣いや旅人の心情を鮮やかに体感することができます。
各巻には、カラー写真や地図、年表などが豊富に掲載されており、歴史的な背景や地理的な位置関係をわかりやすく理解することができます。また、司馬自らが執筆したあとがきや新稿では、旅の感想や執筆の意図が綴られており、読者との対話の機会となっています。
日本の歴史と文化に興味のある方、旅の醍醐味を味わいたい方、そして司馬遼太郎のファンの方にとって、「街道をゆく」シリーズは必読の書物です。この43巻の旅路をたどることで、日本の過去と現在、そして未来に対する理解が深まり、旅のすばらしさを再発見することができます。
歴史の息吹を体感する「街道をゆく」シリーズ。この機会に、ぜひお手元に揃えてみませんか?

街道をゆく(25)中国・びんの道
壮大なシルクロードの隠れた逸話と魅惑的な風景
街道をゆくシリーズの待望の【ワイド版】が新登場!
歴史と文化の旅人、司馬遼太郎。その名著「街道をゆく」シリーズの第25巻『中国・びんの道』が、このたび待望の【ワイド版】で登場しました。
【ワイド版】は、文庫版の約1.5倍の大きさで、より見やすく、読みやすくなりました。また、カラー口絵を新たに掲載し、より臨場感あふれる旅路が楽しめます。
シルクロードのもう一つの顔
「びんの道」とは、中国の西北部を縦断する古道。シルクロードとして知られる東西交易路とは異なり、主に中国と周辺諸国との交易に使われていました。
司馬遼太郎は、この「びんの道」を辿りながら、その歴史、文化、自然を丹念に取材しています。本書では、シルクロードのもう一つの顔と呼ばれる「びんの道」の隠れた逸話や魅惑的な風景が余すところなく描かれています。
歴史的遺産が息づく大地
「びんの道」は、過去に数多くの王朝や民族が行き交い、その痕跡が至る所に見られます。漢の都長安から唐の西域都護府までの歴史的遺産、イスラム文化の影響を受けたモスクやマザール、そしてシルクロードの交易路として栄えたオアシス都市。
司馬遼太郎は、これらの歴史的遺産を丹念に訪ね歩き、その歴史的背景や文化的な意味合いを紐解いていきます。漢の将軍・霍去病の故郷を訪ね、タクラマカン砂漠のほとりに立つ楼蘭遺跡に感慨を馳せ、トルファンの古城で古代ウイグル王国の興亡を偲びます。
広大な自然の息吹
「びんの道」は、歴史的遺産だけでなく、広大な自然の息吹にも満ちています。ゴビ砂漠の果てしない黄土の丘、崑崙山の雪をいただく高峰、そして緑豊かなオアシス。
司馬遼太郎は、これらの自然の風景にも目を向け、その雄大さや美しさに心を動かされています。大漠の夕日に染まる砂丘、オアシスに群生するポプラの林、そして崑崙山の頂上に立つ日の出。その雄大な自然の描写は、読者の心を旅路へと誘います。
司馬遼太郎の巧みな筆致
本書の最大の魅力の一つは、司馬遼太郎の巧みな筆致にあります。歴史的な考証と鋭い洞察力、そして文学的な表現力が相まって、読者を「びんの道」の旅路へと引き込みます。
司馬遼太郎は、歴史上の出来事や人物を生き生きと描き出し、その時代背景や文化的な背景を丹念に描写します。また、旅先での出会いや体験を織り交ぜながら、その土地の風土や人々の暮らしを生き生きと伝えています。
【ワイド版】ならではの充実した内容
今回の【ワイド版】では、文庫版に加えて以下の充実した内容が追加されています。
・カラー口絵の追加: 16ページのカラー口絵を新たに掲載し、旅の臨場感をより高めています。
・地図の拡大・追加: 地図を拡大・追加し、より分かりやすく旅路をたどることができます。
・巻末資料の充実: 巻末資料を充実させ、本書に関連する歴史的背景や文化的な情報を補完しています。
旅への誘い
『街道をゆく(25)中国・びんの道』は、シルクロードの隠れた逸話と魅惑的な風景を余すところなく描いた、歴史と文化の旅への誘いです。
【ワイド版】ならではの充実した内容で、より深く「びんの道」の世界に浸ることができます。この一冊を手に取れば、歴史のロマン、文化の多様性、そして自然の雄大さを実感する旅へと出発できます。
歴史好き、文化好き、旅好きの方にはもちろん、これから「司馬遼太郎」の世界に触れてみたいという方にもおすすめです。
この機会に、「街道をゆく(25)中国・びんの道」【ワイド版】をお手に取り、シルクロードのもう一つの顔を旅してみませんか?

安房直子コレクション (1):魅惑の時代を彩る珠玉のストーリー
序章: 文壇の巨匠、安房直子
安房直子は、近代日本文学の巨匠として広く知られています。その繊細な文体と鋭い洞察力で、戦後の日本の文学界に大きな足跡を残しました。安房直子コレクション (1)は、作家の初期の作品から後期の傑作まで、彼女の多面的な才能を網羅した必携の本です。
時代を超越した傑作の数々
このコレクションは、戦後の日本が混乱と再建の時代を経験した、1940年代から1980年代に書かれた作品を収録しています。安房は、この激動の時代における人間関係、社会問題、個人の葛藤を鮮やかに描き出しています。
* 「暗い鏡」(1946年): 第二次世界大戦の爪痕に苦しむ家族の物語。
* 「忘却の河」(1954年): 戦争のトラウマと、それを乗り越えようとする人間の強さを描いた傑作。
* 「踏切」(1960年): 社会的孤立と孤独に苦しむ女性を描いた、痛烈なリアリズム作品。
* 「安曇野」(1966年): 豊かな自然の中で、人生の смыслと人間のつながりを探求する感動的な物語。
* 「海辺の光景」(1982年): 愛、喪失、記憶を織り交ぜた、安房の晩年の代表作。
鋭い洞察力と繊細な文体
安房の文章力は、その鋭い洞察力、示唆に富む比喩、そして美しい言葉遣いで高く評価されています。彼女は、人間の心の奥底に潜む真実を、見事に言葉で表現します。彼女の作品は、読者に深い感動を与え、長く心に残るでしょう。
文学愛好家必携の一冊
安房直子コレクション (1) は、近代日本文学の愛好家にとっては必携の一冊です。この本には、安房の代表的な作品が網羅されており、彼女の豊かな想像力、心理的な奥行き、そして時代を超越したテーマを存分に堪能できます。
購買意欲を掻き立てる理由
・文学愛好家への贈り物: このコレクションは、文学愛好家や安房直子のファンへの完璧な贈り物です。
・日本文学への入門書: この本は、日本文学の世界に初めて触れる人々にとって、素晴らしい入門書になります。
・感動的な読み物体験: 安房の珠玉のようなストーリーは、読者に深い感動と共感を与えます。
・美しい装丁: この本は、豪華な装丁で、本棚に飾っておきたい一冊となっています。
・限定版: このコレクションは限定版のため、入手できる機会は限られています。
今すぐ注文して、安房直子の魅惑的な世界に入りましょう
安房直子コレクション (1) を今すぐ注文して、近代日本文学の巨匠の作品を堪能してください。彼女の鋭い洞察力、繊細な文体、そして感動的なストーリーが、あなたを魅了し、長く記憶に残るでしょう。

山崎豊子全集:不朽の名作に浸る文学の旅
日本文学の巨匠、山崎豊子。その壮大な物語と鋭い洞察力は、世代を超えて読者を魅了し続けています。山崎豊子全集は、彼女の最も著名な17作品を収めた、文学愛好家必携のコレクションです。
1. 白い巨塔 (2冊)
日本の医療界の権力闘争と腐敗を鋭く描く、山崎豊子の代表作。野望に燃える若き医師・財前五郎と、彼の良心に苦悩する教授・里見脩二との対峙が、衝撃的な結末へと導きます。
2. 華麗なる一族
財閥の没落と家族の崩壊を描いた壮大な叙事詩。阪神財閥の当主・万俵大介の野望と傲慢が、企業と家族の破滅を招きます。
3. 不毛地帯
終戦後の混乱を背景に、旧陸軍将校の生き残りをかけた執念を描きます。元大佐の壱岐正は、政治と経済の世界で権力を求めますが、その冷酷さは彼自身の破滅へとつながります。
4. 女系家族
家父長制と女性への抑圧を暴く、緻密な家族小説。林家の当主・林宗太郎の死後、三人の娘が財産と権力を巡って対立します。
5. 二つの祖国
朝鮮と日本の複雑な関係を探究する歴史小説。主人公の在日韓国人の青年・李載皓は、アイデンティティの葛藤と政治的動乱に直面します。
6. 大地の子
第二次世界大戦中の中国東北部を舞台にした壮大な物語。日中戦争に巻き込まれた日本人の青年・山田耕作と、彼の愛する中国人女性の運命を描きます。
7. 殉愛
明治時代を舞台にした、愛と犠牲の悲劇。病弱な伯爵夫人・美和子と、彼女を心から愛する浪人の佐伯一郎との禁断の恋が、残酷な現実とぶつかる。
8. 白い闇
南極観測隊員たちの苦闘と人間ドラマを描いた感動巨編。医師の植村直己は、過酷な環境の中で隊員たちの命と尊厳を守ろうと孤軍奮闘します。
9. 男たちの大和
太平洋戦争末期の戦艦大和の乗組員たちの物語。特攻隊として出撃する若き兵士たちの死生観と、それを見守る艦長の葛藤が、戦争の悲劇性を浮かび上がらせます。
10. 春の坂道
政治家たちの権力争いと、その裏で翻弄される人々の姿を赤裸々に描く。主人公の官僚・菊池修介は、政界の汚濁と対峙しながら、己の信念を貫こうとします。
11. 沈まぬ太陽
航空業界の熾烈な競争と、そこに生きる人々の生き様を描いた大作。国際航空の社長・恩地元は、会社再建のために辣腕を振るいますが、その代償はあまりにも大きかった。
12. 不帰の海
太平洋戦争で消息を絶った戦艦の物語。45年後に発見された残骸から、乗組員たちの最期の瞬間が明らかになり、戦争の悲惨さと人間の尊厳が問われます。
13. 楽園の扉
医療と生命倫理を巡る衝撃的な小説。医師の霧島透は、生殖医療の最前線で重大な決断を迫られ、その結果が倫理と信念との葛藤へと発展します。
14. 蒼天の夢
偉大な政治家と彼の妻の生涯を描いた歴史小説。主人公の原口元一郎は、大正デモクラシーから戦後の経済復興まで、日本の激動の時代に活躍します。
15. 葉桜の季節
終戦直後の日本を舞台にした、女性の自立と再生の物語。財閥令嬢の佐伯かやは、家族の崩壊と社会の格差の中で、自らの生き方を模索します。
16. 幻の女
永遠の愛と悲劇を描き、読む者を涙させる小説。主人公の作曲家・森永渉は、生涯をかけて愛した女性・美咲との約束を胸に、音楽と生きる道を選びます。
17. 最後の晩餐
食と文化をテーマに、日本の伝統と現代の葛藤を描く。老舗料亭の主人・菊乃は、料理への情熱と経済合理主義の波の中で、自身の誇りを守ろうとします。
山崎豊子全集が必読の理由
・優れたストーリーテリング: 山崎豊子は登場人物に息を吹き込み、読者を彼らの世界に引き込みます。彼女の小説は、複雑な人間ドラマ、歴史的出来事、社会問題を巧みに織り交ぜています。
・鋭い洞察力: 山崎豊子は人間の心や社会の仕組みを深く理解していました。彼女の小説は、権力、欲望、愛、犠牲の本質を鋭く描き出します。
・歴史的意義: 山崎豊子の小説は、日本の現代史を理解するために不可欠です。彼女は戦後日本や昭和の激動の時代を、リアリティのあるビジョンで描いています。
・社会的意義: 山崎豊子の作品は、社会の不正や倫理的ジレンマを提起し、読者を深く考えさせます。彼女の小説は、私たち自身の信念と価値観を再考するきっかけを与えます。
・文学的傑作: 山崎豊子全集は、日本語文学の金字塔であり、世代を超えて読み継がれるべき傑作です。彼女の小説は、読書体験を豊かにし、読者の心を揺さぶることでしょう。
山崎豊子全集は、文学愛好家、歴史愛好家、そして人生の洞察を求めるすべての人にとって必携のコレクションです。この17の作品を通して、読者は日本の現代史、人間の心、そして文学の力を垣間見ることができます。山崎豊子の世界に没頭して、彼女の不朽の名作を体験してください。

山崎豊子全集(16): 感動と洞察に満ちた壮大な文学の旅
はじめに
山崎豊子、日本の文学界の巨匠は、その洞察力に満ちた物語と、人間精神の強さと脆さの探求で知られています。彼女の壮大な全集(16冊)は、読者を息を呑むような歴史的事件や、人間の心の奥深くへと誘います。
「大地の子」: 壮大な歴史叙事詩
この壮大な4部作は、明治維新から第二次世界大戦までの激動の時代を背景に、日本の運命に翻弄される2つの家族の物語を語ります。愛、裏切り、犠牲が織りなす壮大な歴史叙事詩です。
「白い巨塔」: 医療界の闇
権力、野心、倫理のジレンマが渦巻く医療界を舞台にしたこの物語。野心家の外科医財前五郎は、権力と名声への執着から、同僚や患者を犠牲にしていきます。
「華麗なる一族」: 財閥の盛衰
万俵財閥の盛衰を描く壮大な作品。2代目の万俵大介は、冷酷な野心家として描かれ、家族や財閥を自らの利益のために利用します。
「二つの祖国」: 戦争とアイデンティティ
第二次世界大戦下、日系人が米国で直面した偏見と差別を描く感動作。ヒロインの八千代は、米国と日本のどちらの国を「祖国」と呼ぶべきか葛藤します。
「不毛地帯」: 戦後の光と影
戦後の焼け野原から復興する日本の高度経済成長期を描く長編小説。主人公の一之瀬吾郎は、商社マンとして成功を収める一方で、戦争の傷跡と向き合います。
「沈まぬ太陽」: 航空業界の闘い
巨大航空会社とパイロット組合の対立を背景にしたビジネス小説。危機に直面した航空会社を救うため、パイロットたちが奮闘する姿を描きます。
「四つの海峡」: 歴史的フィクション
香港、上海、シンガポール、ニューヨークの4つの海峡を舞台にした歴史小説。戦時中に離れ離れになった家族の再会と、戦争の悲惨さを描きます。
「最後の将軍」: 幕末の動乱
徳川慶喜の波乱に満ちた生涯を描いた歴史小説。幕府の存続と日本の近代化のために苦悩する若き将軍の姿を通して、時代の変革の渦を描きます。
「レオナルドの食卓」: 芸術と人生
ルネサンス期の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチを主人公にした芸術小説。ダ・ヴィンチの芸術観や人間観を通して、芸術の力と人生の意味を探求します。
「沈黙」:信仰と迫害
17世紀の日本を舞台にした宗教小説。キリシタン迫害の中、信念と命の狭間で揺れ動く宣教師の姿を描きます。
「ハウスキーピング」: 家族の絆
長年疎遠だった姉妹が、亡き母の遺品整理を通じて家族の絆を取り戻す物語。愛、喪失、家族の複雑さを繊細に描いています。
「女の勲章」: 女性の生き方
女性が活躍できなかった戦前日本を舞台にした感動的な作品。貧しい家庭に生まれた主人公の里子を通して、女性の自立と社会における役割を描きます。
「利家とまつ」: 戦国武将の愛
戦国武将前田利家と正室まつ姫の激動の生涯を描く歴史小説。夫婦の愛と絆、そして乱世を生き抜く強さを描きます。
「風の果て」: 日本人の移民体験
戦後、アメリカに移住した日本人女性の物語。異国の文化に戸惑いながらも、懸命に生きる主人公の姿を通して、移民体験の喜びと苦悩を描きます。
「吉田茂」: 戦後日本の政治家
戦後日本の初代総理大臣吉田茂を主人公にした政治小説。戦後の復興と外交政策における吉田の役割と葛藤を描きます。
結論
山崎豊子全集(16冊)は、歴史的叙事詩、医療ドラマ、ビジネス小説、歴史小説など、さまざまなジャンルの名作を網羅した壮大な文学の旅です。彼女の鋭い洞察力、複雑なキャラクター、そして人間精神への深い理解は、読者を魅了し、感動させ、考えさせます。
歴史の転換点や人間の心の奥深いところまで探求する物語を求めている人に、山崎豊子全集は生涯忘れられない読書体験を提供するでしょう。この傑作コレクションを手に取り、文学の力に酔いしれてください。

司馬遼太郎全集 第63巻『街道をゆく』十二の本:時空を超えた歴史紀行
司馬遼太郎の不朽の名作『街道をゆく』シリーズ第63巻が、ここに登場しました。この十二の本は、時間と空間の境界線を曖昧にし、読者を日本の豊かな歴史と文化への魅惑的な旅へと誘います。
歴史的風景の生き生きとした描写
司馬遼太郎の筆は、歴史の舞台となった街道を鮮やかに描き出します。読者は、江戸時代の宿場町や明治維新の戦場を歩いているかのような臨場感を味わうことができます。このシリーズは、単なる歴史書ではなく、風景が生き生きとよみがえる文学作品なのです。
著名人との心に残る出会い
司馬遼太郎は、各巻を通して、歴史上の人物に興味深い洞察を与えます。西郷隆盛、吉田松陰、坂本竜馬など、これらの著名人は、彼らの信念、野望、そして時代が彼らの運命に与えた影響について深く掘り下げられています。
旅の観察から導き出される歴史的見解
司馬遼太郎の鋭い観察は、単なる旅の記録以上のものを提供します。彼は、古代の慣習から現代の社会問題まで、幅広いテーマについて洞察力に富んだ歴史的分析を行います。このシリーズは、日本の過去についての理解を深めるのに役立つだけでなく、現在への洞察も与えてくれます。
十二の本のハイライト
1. 伊勢路:伊勢神宮への巡礼路をたどり、日本の古代信仰を探索します。
2. 熊野古道:霊験あらたかな熊野三山を訪ね、幽玄な精神世界を垣間見ます。
3. 山陽路:西国へ続く山陽道を旅し、日本の産業革命と政治的動乱の足跡をたどります。
4. 東海道:江戸と京都をつなぐ東海道を旅し、浮世絵や文化の黄金時代を振り返ります。
5. 奥の細道:芭蕉の「奥の細道」をたどって、文学と自然の融合を体験します。
6. 水戸黄門漫遊記:人気のあるテレビドラマのモデルとなった水戸光圀の旅を追います。
7. 甲州街道:武田信玄の領地を旅し、戦国の世の残した歴史的遺跡を探ります。
8. 紀伊山地:人里離れた山々を探索し、日本文化の源流を探ります。
9. 奈良・平安古寺巡礼:奈良と京都の古代寺院を訪れ、仏教芸術と建築の驚異を目の当たりにします。
10. 薩摩・隼人騎馬隊:南九州の薩摩藩を訪ね、明治維新の原動力となった武士道を調査します。
11. 佐渡・佐渡牢獄:流刑地として知られる佐渡島を探り、歴史における過ちと苦しみを省みます。
12. 北薩・吉之助拾遺:幕末動乱期に生きた西郷隆盛の足跡をたどり、彼の信念と影響を再考します。
読者への呼びかけ
『街道をゆく』の十二の本は、単なる本ではありません。それは時間の旅、歴史の探求、そして日本文化の真髄を理解する機会なのです。このシリーズを手に取れば、知的好奇心が満たされ、愛国心が強まり、人間の状態に対する深い理解が得られるでしょう。
自宅の本棚に、この貴重なコレクションを加えましょう。家族、友人、そして後世の人々にとって、知の遺産として受け継がれることでしょう。

マキアヴェッリの真の友に出会う:『わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡』
塩野七生の歴史小説の傑作の一つである『わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡』は、ルネサンス期フィレンツェの政治的激動の時代に深く入り込み、偉大な政治哲学者ニッコロ・マキアヴェッリの人生と思想を鮮やかに描き出しています。
フィレンツェの運命を担う男
15世紀後半のフィレンツェは、メディチ家の豪華さと共和主義の確執に揺れる不安定な都市国家でした。そんな中、歴史の表舞台に姿を現したのがマキアヴェッリ。彼は、フィレンツェ共和国の第二官房長として、外交や軍事を担当する才能ある政治家でした。
この小説では、マキアヴェッリがフィレンツェの運命を担う中心的人物として描かれています。彼は、フィレンツェの存亡をかけた政治的駆け引きや軍事作戦に関わり、政治の現実と権力の本質について鋭い洞察力を発揮します。
迫真の描写と歴史的正確性
塩野七生は、ルネサンス期のフィレンツェの社会と文化を驚くほど正確に描写しています。彼女の歴史的調査が、小説にリアリティと信頼性を与えており、読者はまるでその時代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。
小説の中で特に印象的なのは、マキアヴェッリの政治的洞察の描写です。彼は、権力の非情さ、人間の野心と堕落、そして国家の存続に不可欠な現実主義の重要性を説きます。塩野七生は見事に、マキアヴェッリの思想を歴史的文脈の中に織り込み、それらが時代を超えた洞察であることを示しています。
複雑な登場人物と魅惑的な物語
『わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡』は、複雑で魅力的な登場人物によって支えられています。マキアヴェッリはもちろんその中心ですが、フィレンツェの支配者ロレンツォ・デ・メディチ、サヴォナローラ神父、チェーザレ・ボルジアなどの歴史上の人物も重要な役割を果たします。
塩野七生は、それぞれの登場人物の動機、欲望、葛藤を生き生きと描き出し、読者をページに釘付けにします。政治的陰謀、宗教的対立、愛と裏切りが絡み合い、魅惑的な物語が展開します。
権力と道徳の葛藤
この小説のもう一つの重要なテーマは、権力と道徳の葛藤です。マキアヴェッリは、国家の利益を第一にし、道徳的配慮を脇に置くことをためらいません。しかし、彼の tindakan がもたらす影響に彼は苦悩します。
塩野七生は、権力と道徳の境界線を巧みに探り、個人的な誠実さと国家の利益の間の緊張関係を描いています。この葛藤は、小説を通じて読者の心に響き、現代社会においても関連性のある問題を提起します。
ルネサンスの精神を捉える
『わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡』は、単なる歴史小説ではありません。それはルネサンスの精神そのものです。これは、人間の可能性、理性の力、そして変化と創造性の時代の探求です。
塩野七生の見事な筆致を通して、読者たちはルネサンスの活力、創造性、そして自己発見の時代を追体験することができます。この小説は、その時代を定義した思想家や芸術家たちの精神を捉える真の傑作です。
結論
『わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡』は、歴史小説の超大作であり、政治、権力、そして人間の性質を探求する必読の書です。塩野七生の並外れた歴史的洞察力、豊かな想像力、魅力的な物語は、読者を魅了し、知識への渇望を呼び覚まします。
この小説は、マキアヴェッリの思想やルネサンス期のフィレンツェに興味がある人だけでなく、政治、歴史、そして人間のドラマに魅了されるすべての人に強くお勧めします。そのページをめくれば、あなたはルネサンスの黄金時代に足を踏み入れ、人間の可能性と挑戦の限界を探求する忘れられない旅に出ることになります。

小林秀雄全作品 (1): 日本近代思想に屹立する巨星の原点
はじめに
日本近代思想の聳ゆる峰、小林秀雄。その膨大な著作群は、文学、芸術、哲学、文化、社会など広範な分野に及び、20世紀の日本人に多大な影響を与えてきた。本巻「小林秀雄全作品 (1)」は、この巨星の思考の原点を集成した決定版であり、その魅力と重みを余すところなく伝えるものである。
文学批評の金字塔
小林秀雄の文学批評は、単なる文学の解説ではなく、人間存在の深淵をえぐり取る知の冒険であった。本巻には、その代表作である「ドストエフスキーの生活」が収録されている。ドストエフスキーという稀代の作家の生涯と思想を綿密に分析し、現代人の苦悩と救済の可能性を照らし出す名著である。
さらに、「モオツァルト」では、音楽の美と創造の謎に迫り、「池澤夏樹の小説」では、同時代の文学者を見つめる慧眼を披露する。文学の表層的な技巧を超えて、人間の心の真実を鮮やかに描き出す小林の批評は、文学愛好家のみならず、広く人間の生き方に関心を持つ人に必読の書である。
思想の軌跡を追う
小林秀雄の思想は、激動の時代を生き抜く中で、常に変遷を遂げていった。本巻では、その思想形成の初期の段階を垣間見ることができる貴重なエッセイが収録されている。
「新しき知性のために」では、昭和初期のインテリゲンチャに警鐘を鳴らし、真正の知性とは何かを問いかける。また、「日本精神」では、伝統と近代の衝突の中で模索する日本のアイデンティティを考察する。これらのエッセイは、小林の思考の源泉をたどり、その思想の全貌を理解する上で不可欠である。
芸術論の秀逸
小林秀雄の芸術論は、美の本質を見極めようとする哲学的な探究であった。本巻には、その代表作である「無常といふ事」が収録されている。伝統的な美意識である無常観を捉え直し、芸術の真の意義を問い直した力作である。
さらに、「ゴッホ」では、芸術家の魂の叫びを分析し、「ベルクソン」では、時間と生の本質を思索する。小林の芸術論は、単なる美術鑑賞論ではなく、人間存在の根源的な問題へと迫る、思索の結晶である。
文化的考察の鋭さ
小林秀雄は、文学や芸術のみならず、広く文化現象にも鋭い視線を向けていた。本巻には、「現代小説の諸問題」や「読書について」などのエッセイが収録され、当時の文化状況を批判的に考察している。
「現代小説の諸問題」では、近代小説の行き詰まりを指摘し、新しい文学の可能性を探求する。また、「読書について」では、読書の姿勢や方法について省察し、深い読書の価値を説く。小林の文化的考察は、現代社会においてもなお、示唆に富む洞察を提供し続けるものである。
社会的憂慮の表出
Kobayashi’s social commentary also finds expression in this volume. In “The Illusions of the Japanese,” he sharply critiques the shallow nationalism and militarism that were prevalent in pre-war Japan. “On the Intellectuals” explores the responsibilities and vulnerabilities of intellectuals in society. These essays reveal Kobayashi’s deep concern for the state of his nation and his unwavering commitment to truth and reason.
小林秀雄全作品 (1): 思想の宝庫
「小林秀雄全作品 (1)」は、小林秀雄の思想の原点を集成した宝庫である。文学批評、思想エッセイ、芸術論、文化的考察、社会的憂慮など、幅広い分野にわたる論考が収録されており、その多角的な思想世界を余すところなく堪能できる。
小林秀雄の著作は、単なる過去の歴史的遺物ではなく、現代にも通用する普遍的な知恵に満ちている。その鋭い洞察力、深い思索、明晰な文章は、現代人の心を捉え、思考を刺激し続けることだろう。
本巻「小林秀雄全作品 (1)」は、日本近代思想の巨星を知り、その豊かな思想に親しむための最適な入門書である。そのページをめくるたびに、読者は知的冒険の旅へと誘われ、人間存在の奥深さと、時代に負けない不朽の思想の力を再発見するであろう。
宮本輝全集 第4巻
塩野七生ルネサンス著作集 (3) (塩野七生ルネサンス著作集 3)
ワイド版街道をゆく43
新装【ワイド版】 街道をゆく (25) 中国・びんの道
安房直子コレクション (1)
山崎豊子全集 17
山崎豊子全集 (16)
司馬遼太郎全集 第63巻 街道をゆく 十二
わが友マキアヴェッリフィレンツェ存亡 (塩野七生ルネサンス著作集 7)
山崎豊子全集 18
定本 久生十蘭全集〈2〉
ちくま日本文学003 宮沢賢治 (ちくま文庫)
小林秀雄全作品 (1)
サラサーテの盤―内田百けん集成〈4〉 (ちくま文庫)
中島敦全集 3
小林秀雄全作品 21
曠野の果 (大佛次郎セレクション)
三島由紀夫全集 13 決定版 長編小説 13
ちくま日本文学016 稲垣足穂 (ちくま文庫)
あなたにめぐりあえてほんとうによかった (絆シリーズ特別編)
